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鞆の浦・尾道・呉・広島の旅 [旅行記]

▼先週の土曜日、仲間といっしょに広島県の鞆の浦と尾道の街を歩いた。仲間とは、年に一度日本各地から集まりいっしょに旅行する友人たちで、メンバーは北海道から鹿児島まで散らばっている。すでに旅行を始めてから25年になり、4半世紀の間には亡くなった者も何人かおり、今では細君といっしょに参加する者も多い。
 東京は雨がぱらつく曇天だったが、新幹線で西に移動するにつれて空は明るくなり、福山駅で降りると雲ひとつない青空だった。
 福山駅前の「釣り人の像」の前で今年の参加者13人が落ち合い、鞆鉄バスに乗った。やがてバスの窓から穏やかな瀬戸の海が見え出し、ちょうど30分で鞆の浦に着いた。

 まず坂本竜馬が宿泊したという枡屋清右衛門宅へ行った。坂本竜馬率いる海援隊が借り入れた「いろは丸」が、長崎で買い込んだ武器弾薬を大阪に運ぶ途中、紀州藩の持ち船と讃岐の沖で衝突して沈没する、という事件が起きた。枡屋清右衛門宅は、その談判をするために鞆の浦にやって来た龍馬や海援隊士が宿泊した屋敷なのだそうだ。
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【龍馬たちは暗殺を恐れて階段のない部屋に泊まったという】
 この事件の処理は長崎奉行に回されたが、紀州藩が政治的に威圧して問題を終わらせようとしたのに対し、龍馬は航海日誌や航路図により事実を確定し、「万国公法」によって解決することを主張、紀州藩に過ちを認めさせたという。

 次に、福禅寺の対潮楼(たいちょうろう)へ行った。「風光明媚」を絵に描いたような景色を見ながら、座敷でしばし休憩。小島の点在する瀬戸内海は、絵になる構図にこと欠かないだろうが、ここの景色も評判どおり素晴らしい。
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 座敷の壁に、幕末の長崎で撮ったという写真が貼り出されていた。撮影者は日本のカメラマン第1号の上野彦馬、写真は外国人の大人と子供を中心に、集合した志士たち50名ほどが横3列に並んでいるものだが、驚かされるのはその顔ぶれである。「判明」したという一人ひとりの名を見ると、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、高杉晋作、勝海舟、坂本龍馬……とオールスター・キャストである。感心して見ていると、説明役のオジサンが、ここに書かれた名前については異論がないわけではない、というようなことを婉曲に言い、一同、なあんだ、という顔になった。
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 港に出ると、「常夜灯」が見えた。鞆の浦の風景として、もっとも絵になる場所である。常夜灯の界隈には江戸期や明治期の建物がいくつも残っていて、風情ある街並みをつくっていた。
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 2時間ほどの街歩きでいいかげん疲れたあと、渡し船で仙酔島に渡り、国民宿舎「仙酔島」に泊まった。

▼翌日も晴天。朝食後、昨日の渡し船とバスに乗り、福山から尾道に移動した。
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【宿泊した部屋の前は浜辺。夏には海水浴客で賑わうという。】

 尾道駅構内にある観光案内所で地図をもらい、「古寺めぐりコース」を歩いた。コースの標識に従って持光寺、光明寺、宝土寺を通り、千光寺新道に出ると、道は急坂となり、まっすぐ石段を登る。まことに尾道は、寺と墓地、急坂と石段の街である。
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 五百羅漢の群像のある天寧寺まで歩き、ロープウエイで千光寺山の展望台に登った。尾道の街が眼下に広がり、その向こうの河のように見えるのは瀬戸の海(尾道水道)、向こう岸は向島(むかいしま)だと説明板にあった。
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 帰りは、尾道ゆかりの人物の句碑などが点在する「文学のこみち」を下り、千光寺に出、山を降りた。
 昼食ののち、尾道駅で解散。筆者は電車で呉へ移動した。

 呉は筆者にとって、最近まで映画「仁義なき戦い」の舞台というだけの街だったのだが、せっかく広島まで来たのに1泊で帰るのはもったいない、「どこぞ寄る所はないじゃろうか」と思い、立ち寄ることにしたのである。
 ホテルに入ったのはすでに夕方に近かったので、「大和ミュージアム」に行くのは翌朝に回し、駅で手に入れた観光案内のビラで知った「潜水艦をもっとも間近に見られる」公園に、行ってみることにした。
 駅前からバスに乗り、その名も「潜水隊前」というバス停で下車する。夕暮れの公園には、カメラを持った観光客が幾人も来ていた。目の前の海は海上自衛隊が占有しているようで、埠頭は立ち入り禁止となっていたが、潜水艦が4隻浮かんでいるのが見えた。
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(つづく)

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